先週末行われた日本選手権。
注目の男子100m決勝。
ハキーム君ぶっちぎりの優勝。
素晴らしい動きでした。
“四強”の前評判を覆し、日本最速決戦を制したサニブラウンについて、10秒00の日本記録保持者で、日本陸連の伊東浩司強化委員長は「ハキームくんが力強かった。その一言に尽きる。昨日と同じ条件なら9秒台が出ていたんじゃないか」と、舌を巻いた。
予選、準決勝で10秒06、決勝で10秒05というラウンドの重ね方にも「一定レベルの余力を持って勝ち上がれていた。カール・ルイスやボルトのように60~70メートルまでメンタルを安定させて走れるのが強み」と、絶賛していた。
ハキーム君本人によると、
スタートが上手くなったこと、
上半身の筋力トレーニングにより、体がぶれなくなった、
とのことです。
なみあし常歩身体動作の視点から見ると、
全ての動きがなみあしそのものです。
顎をあげ、肩、上肢の動きがバックワードサイクル、
股関節の外旋、肩も外旋、遊脚感覚、2軸感覚、骨盤の下制に見られる抜重、
(難しい言葉ばかりですいません笑)
特に上半身の動きは素晴らしいです。
よくフォームが大事と言いますが(僕も言います)
100mの決勝での彼の走りと他の選手の走りを比較して繰り返し観ていると
「あー、かけっこの子どもたちと同じ走り方だ。」
と思ったのです。
子どものフォームはめちゃくちゃなように見えますが、
あれはいい意味で生まれたままの自然な動き。
走り方を教わらないと個性派あれど、ぐにゃぐにゃ、ブレブレで動きます。
それがだんだんと筋力がつき、骨、関節が強くなり靭帯や腱が硬く弾性が出てきます。
そうなると、ぐにゃぐにゃ、ブレブレは次第におさまり、
弾むように反発のある動きに変わっていきます。
スクショで荒くて申し訳ないですが、
ハキーム君の動き(特に正面から)誰よりも一番横揺れでたわんでいるのがわかります。
他の選手のたわみは、あまりありません。肩が水平、骨盤も水平です。多田選手は少し、たわんでるかな。
肩も下がり、着地に向かう前から左の遊脚
(振り出している足)の骨盤も
垂れ下がり始めています。
と同時に、右肩は下がります。
この直後に地面反力で力強く推進する力が生まれます。
しかし、ものすごいたわんでいますよね。
緊張や力みがない、だらっとした状態でこそ、実現するフォーム。
大舞台に動じない、強い心、平常心がなせる技です。
そして、ハキーム君はフォーム矯正を受けていない、つまり走り方を教わっていないのだそうです。
(確かな情報かは断定できませんが、関係者つての話のようです)
あの桐生選手や山縣選手、ケンブリッジ選手、突如、現れた、多田選手、
9秒台に迫ったトップランナーたちの走っている姿、特に上半身がとても苦しそうに見えるのは僕だけでしょうか??
そんなスピードで走ったことないので偉そうに言えませんが、
純日本人だって小さい時は、そうやってぐにゃぐにゃ走っていたんだからな〜。
あんなに体幹をかためて、力んで、重力と思いっきりケンカして走り続けたら・・・
ちなみに世界のトップ選手の走りはコチラ↓
ハキーム選手が黒人により近いことがよくわかりますよね。(ほぼ黒人ですけどね笑)
体が動きたいように動かしてあげる運動誘導、思い込みや姿勢制御、運動制御から解放された自由であるがままの体!
越谷BASEかけっこ教室では、基本的にフォームではなく、全体の動きを作りをしていくので、ハキーム選手のような動きを目指しています。初めて言いましたけど笑。
最速じゃなくていい。
最高の走りを目指そう!
桐生選手も這い上がってほしいですね!
松田タカシ