歩き方を教えて欲しいと、息子さんがお父様を連れてご来店。
お話を聞くと昨年、股関節骨折をしてボルトを入れて以来、リハビリや治療をしてきたが、
股関節、おしり、ふともも、ふくらはぎなどに痛みがあり、歩いて100m足らずのコンビニに行くにも痛みが出て次第に億劫になり、引きこもりがちになったとのこと。
歩行指導
STEP1,良い姿勢をつくる
まずは立位の姿勢から。
猫背で、痛みの代償として体が左に曲がった姿勢だったので、まずは良い姿勢を作る体操から。
姿勢を良くする体操を繰り返し、胸の位置が高くなれば腰も伸びます。
重心が前方に入りやすくなると歩行が楽になります。
STEP2,吊られるように引っ張られるように
頭は上から吊られているように、胸からひもがひっぱってもらうように歩いてもらいます。
視線を高く保って、遠くを見るように歩いてもらいます。
STEP3,腰を軸足に乗せていく(要介助)
歩行時に介助者が軸足側の骨盤をサポートして歩くと腰が乗り、しっかり歩けるようになります。
これはコツがいるのですが、着地の直後に軸足側の骨盤を少し押すと腰が入り、うまくいきます。
自然と歩幅、速度があがります。
STEP3,足裏を地面と水平に
転びやすくなるのはつま先が下を向いて垂れているからです。
足裏を地面と水平に保って歩くと自然と膝が上がるようになります。
これだけでかなり筋力が付いてくると思います。
つま先を引っ掛けることもなくなるので転びにくくなります。
まとめ
良い姿勢を作り
頭を吊られるように
胸から引っ張られるように
軸足に腰を乗せて
足裏を地面と水平に
箇条書きすると多く感じますが、やってみるとそれほど難しくありません。
お父さんがどんどん明るい顔になり、痛みも気にならず、歩いている姿に息子さんもホッとしていたようです。
歩行で痛みが解消するのか?について
痛みが不安で歩けなくなるものですが、痛みは脳が認知しています。
痛みに気をとられるよりも、上記のようにちゃんと歩くためにやるべきことに集中して取り組むことです。
痛みのことを考えていない時は痛みはありません。
心配してばかりいて、慎重になりすぎているとずっと痛みを感じることになります。
歩く量が増えて、血流や運動機能が改善していくことで痛みが取れていくことは良くあることです。
それでも痛みが取れない場合は、治療を受ければ良いと思います。
インソールが必要かどうか?について
当店では歩行しながら自家矯正できるインソールSUPERfeetも用意しています。
今回のクライアントさんは、足の歪みはなく、息子さんからはインソールはできればなしで、という依頼でしたので歩行指導のみでokと判断しました。
足の歪みがある場合は、できるだけインソールは入れるべきと推奨しています。
85歳でまだまだ、会話もしっかりできて、多少痛みは出てても、こうして短時間の指導でもかなりしっかり歩けるようになるなんて素晴らしいです。
野蛮な言い方をすれば痛みなんて一所懸命仕事して生きてきた勲章だと思います!
せっかく取り戻した明るい表情でこれからも楽しく歩いて欲しいです。
今回のコースは
でした(インソール作成はなし)。
ちなみに歩き方には誰にでも当てはまる正しい歩き方というものはおそらくありません。
それぞれにあった歩き方を、一緒の考えて、提案しています。